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展示のお知らせ

写真展「掴もうとしても、掴めない」

会期:2019年8月29日(木)〜 2019年9月30日(月)
定休日:火、水  9/21(土)臨時休業
営業時間:13:00-20:00 
場所:BOOKS f3
新潟県新潟市中央区沼垂東2-1-17
新潟駅を沼垂方面へ徒歩15分。沼垂テラス商店街から徒歩3分


今年3月に開催した個展「一輪の花」。2ヶ月後の5月末、
導かれたかのように祖母の故郷、新潟県の栃尾に行きました。
3月に開催した個展「一輪の花」の作品に加え、栃尾で撮影した写真を展示します。


イベントも開催します!

◆9/15(日)小俣裕祐と写真についてお話する会
「一輪の花」と今回撮影した栃尾の写真について、
なぜ新潟で展示をすることになったのかを交えながらお話いただきます。
また、普段お仕事をしながら写真家としてもご活動されている小俣さん。
写真との関わりや写真を残すことの大切さ、
ご自身のご活動について参加者のみなさんからのご質問も受けながらお話しいただきます。

時間:13:00開場 13:30〜14:30 
参加費:1,500円(おやつと飲みもの付)

申込: (Click!) 
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展示が終わり、時が過ぎた。

今回も、展示が始まる前に、来てほしいなという人たちだけに封筒で、DMを送った。
3年ぶりの展示ということもあり、宛先不在で返ってきた方も、何人かいた。
メールのエラーのようでなんか面白かった。
3年という時間で、誰かの人生も変わっているんだなと感慨深くなった。

今の時代、連絡の手段は、LINEやSNSのメッセージ機能だろうか。
手紙は、既読など教えてくれない。

中にはメールやLINEで、手紙届いたよ!いくね!と連絡くれる人、
何も言わずに来てくれる人、嬉しいことに手紙で返してくれる人もいる。

手紙を送ると、大体その人の人間性がわかったりするものだ。
返す返さない、来る来ないがどうだということでない。
その反応の仕方のことを言っている。

展示が終わり、お礼状を送った。やっと全員に送り終えた。
来ていただいた方で、僕が写真を撮りたいなと思った方は、帰り際に写真を撮らせてもらった。
好き嫌いではなく、僕の気分なので、悪しからず。
お礼状は、写真集一輪の花のポストカードにした。
せっかくなので、使いたいと思い、初めて使ってみた。

万年筆は、インクがはじくし、ジェットストリームのようなゲル状ボールペンもいまいちノリが悪い。
僕はセントロの細字のペンが一番相性が良かった。

写真を撮らせていただいた方は、写真を同封して、そうでない方は、ハガキだけ。
皆さんに花を届けることができ、やっとモノグラムさんでの個展一輪の花は完結した気がする。


お話していた場所を移しての展示が決まりました。
詳細は、またお知らせしたいと思います。
展示が終わった。とても幸せな14日間だった。

僕の写真家人生も一度これで区切りがついた気がする。
もう写真を撮らないという意味でなくて、これからもただ自分のために写真は撮り続ける。
ただ、何か自分の外に写真を向けることはしばらくない様な気がする。

26歳で写真を撮ることを意識し始めて、8年。
モノグラムは、僕がここまで写真を撮り続けるきっかけを与えてくれた場所です。
CONTAX T2というカメラは、僕の写真をプリントしてくれている
モノグラムの店長東尚代さんが使っていたことがきっかけだった。

尚代ちゃんの写真も好きだったし、T2のデザインも気に入ってしまい、
当時カメラのキタムラの渋谷店で25000円くらいで購入した。
日付が入る裏蓋付きなのに、結局最初から日付は入らなかった。
今ではそれで良かったと思う。

尚代ちゃんも同じカメラを当時使っていたこともあるし、
僕の写真のこともたぶん理解してくれていたので、そ
こからずっと彼女にプリントをお願いしている。

モノグラムのプリントのいいところは、明るさや色味なども、
希望があれば補正してくれるサービスがあることだ。
もし、普通のDPEの写真屋さんでプリントが思うようにならないと悩んでいる方は、
ぜひプリントを一回注文してみてほしい。
7年間、フイルム104本分は彼女にお願いしてきた。
僕の写真は、彼女がいないと完成されないのだ。
これからもずっとプリントしてもらいたいと思っているけど、
そんなこともできない日がくるということも、もう覚悟している。


今回で4冊目となる写真集も、DOOKSを主宰している
デザイナーの相島大地さんに、デザインをしていただいた。
2013年の終わりだったか僕のHPから、自作のZINEを買っていただいたことをきっかけに、
お会いすることが始まりだった。

当時僕は写真集を作りたいと思っていたところで、
相島さんの人柄やデザインのお仕事をみて、作っていただきたいと思い、お願いをした。
2014年に出版したSIDE BY SIDEが、初の写真集となった。
完成された写真集をみて、とても感動したことを覚えている。
僕の写真がとても生き生きしていて、初めてデザインの力に感動した。

その後、僕の写真の中でも一番気に入ってくださった、
一輪の花シリーズを写真集にしたいと相島さんから言ってくださり、第一段が完成したのだ。
DOOKSから写真集を出版して、初の展示場所となった西荻窪のa small shopでの展示は、
今でも心地よい日々だったことを覚えている。

その時から、写真を撮ることよりも残すことに意識が向いてきた。

SIDE BY SIDEシリーズを2作、一輪の花シリーズも2作、
そして一輪の花メッセージカードと、DOOKSから出版することができた。

立ち上げ当初から、少部数でも価値ある本づくりをという考え方に共感し、
相島さんと一緒に本を作ることができてよかった。
正直、僕は何もしてなくて、写真をお渡ししただけなのだけれど…。
他の作家の方は、どうされているかはもちろん知らないのだけれど、
僕の場合、大袈裟ではなく一言二言言葉を交わすだけで、
ほぼデザインが出来上がっていたイメージだった。

写真家として、自分の納得するかたちで作品に残せたこと、
それを届けることができたことが、とても嬉しい。本当に感謝しても仕切れない想いでいる。
ちなみに、僕の作品集は、モノグラム二階のブックライブラリーで
保管いただいてるので、営業日にご覧いただくことができます。


今回の写真集に、文章を寄稿いただいたEETY / EE HANDCRAFTED PRODUCTSの友岡洋平さん。
彼との出会いは、2016年のSIDE BY SIDE2の展示にお越しいただいたことか始まりだった。
僕にとっては新しい視点で、僕の写真に対して、言葉を下さる方で、とても新鮮だった。
寄せてくださっている文章にもあるように、僕の写真と生活がまっすぐつながった
直線性があるから好きだと言ってくれることがとても嬉しい。

意識していたようでも、改めて言葉になるととても強いなと思った。
僕の写真観をより広げてくれた気がする。自信が持てた。
一輪の花第二弾の写真集を購入いただいた方、これからご覧になる方も、
ぜひ友岡さんの文章を読んでいただきたいです。

そして、最後に、父とどこかで見守ってくれているだろうお母さんへ
僕の人生の一部が写真を通して、こんなにも幸せになったのも2人のおかげです。
使っていた一眼フイルムカメラを、オーバーホールして「使うか?」といってくれたのは、
父だし、そこからは自分が選んだ道だけど、もしかしたら、そのカメラがなければ、
写真はやっていなかったかもしれない。

結果的に、僕の写真家としての印象を形成させたものは、この一輪の花シリーズであるし、
お母さんが亡くなってなければ、1人暮らしをしてお花屋さんでお花を買って飾り続けて、
写真を撮り続けたことはなかったと思う。
おばあちゃん家にも近い、お母さんも育ったこの街で、
このモノグラムで僕の写真を見ていてくれることを願ってます。
ま、きっと見にきてくれたよね。

「一輪の花」は、また咲き続けてほしいなと思い、
どこか場所を移して、開催したいと考えています。
その時は、またお知らせします!
とにかく、ありがとうございました!

展示も半ば、折り返し。14日の会期のうち7日が終わりました。

21日、23日、24日と3日間は在廊することができ、たくさん色んな方に
来ていただいて、お話ができて、とても幸せな日々を過ごしています。

3年ぶりの展示ですが、展示をやる度に思うこと。
「わざわざ来てくれる」ただそれだけが最高の贅沢だということ。

お久しぶりな人もいるし、初めてお会いする方もいるし、言葉を交わす中で、
自分が何で写真を撮っているのだろうと、再認識させてくれる会話があった。

何で写真なんですか?
何でフイルムなんですか?
何で花を撮っているんですか?
コンペに興味はないんですか?
使っているカメラはなんですか?
フイルムはなんですか?
写真を通して、何か伝えたいとか影響を与えたいという気持ちはあるんですか?

その質問ひとつひとつに、迷いなく答えている自分がいて、ちょっと頼もしくもなった気でいる。

26歳の頃、ちゃんと写真を撮りたいと思い始めた時、
今みたいにスラスラ自分の写真観について、話せることはなかったし、
ただ写真を撮りたいだけだった。

この8年の間に、僕が写真家と言えるようになったのも、
僕の写真をいいねと言ってくれる人がいて、見てくれる人がいたからだと思う。
何枚も写真を撮り、見てもらい、言葉をもらい、そしてまた写真を撮り、
見てもらいを繰り返した。
ついには写真集として形に残したいと思い、今回で4冊目となる写真集も出版した。

2010年に初めて訪れたmonogram。
僕は、その当時、ある写真集に衝撃を受けて、写真を撮りたいと思っていた。
「東京、オーロラ」という青柳圭介さんの写真集だ。
それをきっかけに、少し自分の中で変化が始まったのだ。
少しして、奥沢で一人暮らしを始めた僕は、再度monogramに行くことになる。
通い始めて気付いたのだけれど、青柳さんの写真集に載っている人物のうちの一人が、
monogramの店長でもあり、僕の写真をプリントしてくれている尚代ちゃんだということを。


9年経った今、monogram2階のブックギャラリーには、青柳さんの写真集があり、
その隣には、僕の写真集が置いてある。
だからどうもしないのだけど、僕にとっては、なんだか感慨深い映像だなと在廊していて思った。

今回、monogramのギャラリーでの個展ができてよかったなと実感している。
あの2階の空間というのは、やはり落ち着く場所だなと。
過去にグループ展も含めて2回、展示をしていて、今回で6年ぶり3回目となる。


長い年月を経て、僕は学芸大学で暮らしている。
また、僕の母が、成人して結婚するまで育った街でもある。

そんな街にある写真屋monogramで、こうやって展示ができたことがとても幸せだ。

僕が写真を続けられているのは、monogramがあったからだし、
そんな場所で、母の育った街で母に捧げているようなこの展示を出来ています。

こんなことはもう二度とないです。

残り会期もあと5日。
30日(土)と31日(日)は、在廊いたします。

ぜひお越しください。
お会いした方と、言葉を交わしたいです。
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お知らせです。

個展「一輪の花」

日時:2019年3月18日(月)〜 2019年3月31日(日) 12時ー20時
※休館日:3月20日(水)、27日(水)
※最終日:3月31日(日)16時まで

場所:monogram

同じタイトルでの展示をしてから、4年が経ちました。
同じ場所でもう撮ることのできなくなった花たちの写真を展示します。
アートレーベルのDOOKSより新しく写真集を発売します。
僕の写真人生を育んでくれたmonogramでの6年ぶりの展示となります。


同会場内にてDOOKS POP UP SHOPを開催します。
DOOKSより出版された作家の方たちの本を一部販売します。


・オープニングパーティー
開催日:2019年3月23日(土)18:00-20:00

ささやかですが、オープニングパーティーを開催します。
手作りの料理とソフトドリンクをご用意いたします。
どなたでもご参加可能です。

恐れ入りますが、アルコール類は、ご用意がありません。
持ち込みは可能ですので、各自ゴミの持ち帰りはご協力お願いいたします。

お腹いっぱいまではいかないと思いますが、和食を中心にご用意します。
皆さんに喜んでいただきたいと思っていますので、お食事類の持ち込みはご遠慮願います。

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久しぶりに、東京オーロラを覗きに行った。
たぶん2年くらいはのぞいていなかった気がする。

2015年11月29日で更新は止まっていた。

僕もいつの日かまで、写真日記をこのサイトで公開していた。
あることをきっかけにやめて、そして・・・消した。

その写真日記が好評だったことを消してから知ったりする。
twitterやfacebook、instagramを誰もが使うようになったときに、
なんだか自分の日常をさらけ出すことにも違和感を持ち、
自分の写真が消費されているような嫌な気分がしたので、やめてよかったと当時は思っている。

自意識過剰かもしれないけれども、
単純に、写真日記は自分のためであることに気づいたのだ。
作品でもないし、公開する意味がなくなったということかもしれない。


写真集、東京オーロラは、青柳さんの人生の一喜一憂が垣間見れたというか
そういう編集になっているので、それが自分と重なったりした感覚が心地よいんだと思う。
サイトもさかのぼってみると、クリックする度に、日々一喜一憂している時期があって
それが人間らしくていいんだなと。

インスタグラムがつまらないのは、みんな楽しいことしか見せようとしていない
暗黙なルールがあるからだと思う。
今日あった出来事、いった場所、きれいな景色、おいしいご飯、仕事の宣伝。
個人も企業もみんなコマーシャルだから面白くない。

今はインスタグラムだけしかやっていないけれども、リアルタイムのいいね!ではなく、
僕と会ったときに、「HPみてますよ」とか誰がみているかわからないけど、
きっとあの人は見ているんじゃないかという期待感と妄想の中、

写真日記更新はじめます。

僕の日常だって、作品かもしれない。
そして何より、このHPを更新する費用がもったいない。

「いい物くらい自分で決める」

友人夫婦が、デザインと出版をしている雑誌FREAK PIECEの
第二弾がお披露目・発売開始された。
 (Click!) 

僕は、第一弾「何かじゃないもの」に参加をしています。
 (Click!) 


前回の冊子が出てからも、二人には何度か会っていたので、第二弾を作ることは聞いていた。
僕もお声がけいただいたけど、その当時は、「物」というテーマで何かピンとくるものが
自分の中でなかったので、参加はしなかった。
今日、instagramでの完成した雑誌の写真と紹介文を見たときに、
今さらだけれども、参加しておけば良かったかなと思っている。

まだ中身も見ていないけれども・・・。

自分の中で「いい物」ってなんだろうなぁと考えたくなって、
久しぶりに日記を書きたくなった。日記というか備忘録のようなものかな。


僕にとってのいい物は、人からもらったとしても、
自分で買ったとしてもずっと手元に残っているものだろうか。
なんとなく心揺さぶられているものや、人の温もりが残っているものは手放せない気がする。

いつも持ち歩いているものとか身につけているもの、
生活する中で使っている道具など、僕の中で「いい物」はたくさんある。
家族で昔から使っているしゃもじ、最近愛用し始めたボールペン。いつも持ち歩いている
リュック。
どれも僕にとってのいい物だけど、何か一貫したもので雑誌に参加するとしたら、
少し角度がずれているかもしれないけど、「手紙」のことを書くかもしれない。


つい最近も引越しのハガキを出したのだけれども、お返事が何通か来た。

LINEですぐに連絡をくれる人、メールで連絡くれる人、何も返事はない人。
ハガキや封筒で手紙をくれる人。

やはり、手紙で出しているので、手紙で返事がくると嬉しい。
自分が出した手紙に対するお返事の手紙には、何か特別なものを感じる。

手紙を出してから、日を置いてやってくるあいつ。
ポストをあけたときに、郵便受けから覗いて何かあることを確認する瞬間。
あの人からの手紙だとわかった瞬間。
封をあけて、中身を見る前と後。
読み終わった後の余韻。

どんな買い物にも変えられないものだと思う。

ちゃんと郵便局の消印も残っているので、いつ来たものかもはわかる。

人によって選ぶ封筒や便せん、切手も違う。
こんな字を書くんだと、人が生み出すフォントも面白い。
そして何よりはそこに書いてある、ただ自分だけに向けられた「言葉」。

その手紙たちの写真を撮ってもらい、文章も一緒に・・・
ということはやはりできないし、やりとりした二人だけの秘密なので、今回は参加できなかったかな。
やりとりした人たちの分だけ、いい物が、僕の手元にはたくさんあります。


ただ一つ何かって言われたら、それは、あなたからもらった「手紙」です。
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公開するまでもないとりとめもない日記だなと思って、去年、
日記をタイピングしては、何度も「公開する」ボタンを押さなかった。

mixi時代から続いている、たまに私情をインターネット上に晒し出す行為は、
もうしなくなるかもしれない。
去年は、Facebookもtwitterも、アカウントを消してしまった。

何も生活に不便はしないし、多くの時間を得た気がする。
情報に左右されずに、なるべく人を辿って、新しいところにはどんどん出ようと思う。

ネットに載っているような2次情報や3次情報でなく、自分が直接見て感じた1次情報を
もっと得ていきたい。


2017年は、2016年の末に仕事を辞めてからそのまま働かずにゆっくり過ごす始まりだった。
3月の誕生日翌日に新しい職場での仕事が始まった。
仕事が楽しくて、人生で一番ストレスのない生活を送ることができた気がする。

11月に引っ越しが決まり、12月末に新しい街へ移り済んでいる。

職場とか環境は変えると、やはり人生が流転する。

同じ場所でもう撮ることもなくなってしまう、花も、また新しい家で
撮り始めます。

今年はちょっと展示したいな。
小田急線の車内で揺られている。
平日とは違い、週末の休日はわざと各駅停車にのって新宿まで向かう。

わざと各駅停車に乗るのは、平日の満員電車とは正反対の過ごし方が
できるからだ。小田急線に乗っている人ならわかってくれるだろうか。
ゆっくり本も読めるし、座ったまま居眠りもできる。

今はちょうど祖師ケ谷大蔵駅を通過したあたりだろうか。
成城学園前駅で急行に乗り換えず、そのまま乗っていた。

考え事をしていて、ふと、無職だった時の頃を思い出す。
もうつぶやかなくなったツイッターを見返していて、過去のつぶやきから記憶が蘇る。

思うように毎日を過ごしていた。
ただ、なるべくダラダラしないように早く起きてどこかに出かけるようにした。
今までの日常と変わらないように過ごすようにした。

ほんとに素晴らしい時間だった気がする。

2016年12月末日から2017年の3月12日まで。
この80日の間何をしていたのかは、もう断片的にしか覚えていない。
特に記憶に残っているのは、年末に年賀状を初めてゆっくり書いたこと。
DVDを借りて映画をたくさん観たこと。
彼女の個展準備をせっせと手伝っていたこと。くらい。
転職活動も絞って活動していたし、自己都合退職だったので失業保険のこともあり、
働きもしなかった。今思うと、ニートだな。


活字ではなく、何も考えず映像に触れたいと思い、
この期間に会った友達からオススメを聞いては、その中でピンとくる作品を観た。
’’エターナルサンシャイン’’と’’Somewhere’’が印象に残っている。
’’エターナルサンシャイン’’は3回くらい繰り返し観た。
’’Somewhere’’は、今でもたまに観るようになった。これからも観たい映画。
空虚な映画が昔からすきだ。邦画でいうと’’リリィシュシュのすべて’’のような。



たまに、自分は自分のことしか考えられていない(というより自分のことしか考えたくない)
期間というのがあって、自己嫌悪をしてしまうときがある。

この文章を考えているときに、実家に帰っている父親からメールがきた。

「今、家にいる?」
「いないよ。出かけてる。どしたの?」
「植物に水をあげてほしくて。」

この日の関東は、カンカン照りの猛暑日だった。

父親が大切に植物を育てていることを知った。
確かに水はあげていた気がするけど、少し家を空けていて、この猛暑日で心配になったのだろう。
胸がキュっとなる想いで、植物の写真を撮りたくなった。


こんなやりとりから、飛躍して自分の父親への接し方や普段の自分のふるまいに
不安を憶えた。
遠く離れた場所から、植物のことを心配する父親から、何かを学びとった気がする。


こんな風に時々、胸がキュっと締めつけられるときは、みんなあるのだろうか。
僕は不安を感じる時間が、一定の割合である。
きっかけはわからないけど、何かを想起し、自分に重ね、起こってもいないことに不安になるのだ。



僕のHPの写真は、愛用している京セラのCONTAX T2とKODAK SUPERGOLD400の
フイルムの組み合わせである。

今日、ひさしぶりにフイルムを買おうと何気なしに、新宿西口の
ビックカメラにいったら、いつもあるはずの黄色くて小さい女の子が
写っているパッケージが見当たらなかった。

え?うそ?と思いつつも、店員さんに

「KODAK SUPERGOLDは、もう店頭にはないですか?」
と聞いたら、

「あ、もうないかもしれないですね〜、生産終了しましたからねぇ」と
言ったので、

「え!!??」
と叫んでしまった。

急なお別れを告げられたようで、ショックすぎて路頭に迷うところだった。

「他のお店にないですか?!」と聞いても
もうビックカメラにはないという。

その足ですぐにヨドバシカメラのカメラ館に行ったけれども
どこにもなく、緑色のパッケージばかり。

カメラのキタムラにいくも何もなし。


iphoneもデータ制限がかかってしまって、ネット通販もろくに調べられない。

家について、やっとネットでなんとか期限切れ品だけれども
10本買うことができた。


別にこのフイルムでなくても写真は撮れるんだけれども、
プリントで調整がある程度はできるんだけれども、

なんとなくずっと使い続けてきたものがもう使えなくなるということは
なんとも悲しいし、気力をなくす。


ずっと長く付き合っていた大好きな恋人と別れるような感覚だろうか。
僕はあまり人と長く、このフイルムのように5年以上付き合った経験はないけど、
そんなショックと同じような気がする。

慣れや依存というものは怖い。


イチローが毎日朝カレーを食べるような、
僕にとってはずっと同じルールで同じクオリティコントロールができるように使ってきた
から、これからどうしようか困る。

今までと同じようなプリントの質感や色味を再現できるのだろうか。
それに近いフイルムを選び、そしてさらにそれをmonogramの尚代ちゃんに
お願いしなければならない。


フィルムで写真をちゃんと撮り続けて、5年。
ついに、フイルムの終焉はすぐそこかもしれない。

それが終わるまでは、僕は意地でもデジタルカメラを買わず、
Contax T2を使い続けて撮ろうと思えた記念日だ。

2017.4.27